近場で草野球…のはずが思わぬ小旅行に
投稿が久々になってしまいました。
先週は、仕事にプライベートにバタバタしていました。
「バタバタ」というのは、予期された忙しさもさることながら、予期しない忙しさに見舞われれ、心身ともに疲労を感じる状況を表すのではないでしょうか。
その意味では、予期せぬ出来事が先週末、起こりましたので、落ち着いた今のタイミングで振り返ってみたいと思います。
趣味の草野球
(本ブログでは初出ですが)私は趣味で草野球をしています。
大学時代、軟式野球サークルという名の緩い草野球サークルに所属していました。
社会人になり、上京した同級生数人で、「もう一度野球をできないか」と考え、チームを立ち上げました。(私は主要メンバーでありつつも、どちらかというと馬力のある彼らの補佐役ですが…)
社会人になると、週5日の本業、新たにできた家族との時間など、公私ともに学生の時分と比にならないほど融通が利かなくなります。
ただ、公私の固定的な人間関係から身を解き放ち、心も身体も開放的になれる時間というのは、とても貴重です。
天然芝と土のグラウンド上で全身を動かしながら、(そこそこ)大きな声を出す。
この時間は何にも代えがたいものだな、と思っています。
万事につけて無気力で、必要以上に人間関係を増やしたくないと考えている私であり、当初は、草野球チーム創設にも若干消極的でした。
しかし、気心知れた仲間と月に0.5~1回程度会って話すことは、いい意味で心に張り合いが生まれ、淡々と過ごしがちな社会人の日々に栄養を与えてくれるものとなり、あっという間にその魅力にはまりました。
日々の公私の生活に忙しい成員一人ひとりが、集団のためにわずかな努力を捧げることにより成り立つ活動。
特に指示せずとも、自立した個々人が、小さな、しかし確たる意思を持って集団運営に関わっている状況は、理想的ともいえると思います。
それぞれが民間企業、公務員として勤める中で、「良きに計らう」ことを無意識のうちにこの集団においても体現しているのでしょうか。
「みんな大人になったなぁ」と思う瞬間です。
同時に、考え方が極度に硬直化した会社の中年男性のようになってはならないな、と、自戒を込めて書き記しておきます。(失礼)
「怪我の無いように」という定番のあいさつ…を実感することになるとは…
前置きが長くなりましたが、、
草野球の冒頭には、対戦チームにもよりますが、両軍ベンチ前に整列し、礼をする習わしがあります。
その際、音頭をとる司会者的立場の人が、ルール確認などの後に、「怪我の無いように」といった決まり文句を申し添えます。
今までろくに意識したことのない内容でしたが、今回、30歳になって初めての試合で、実家することになりました。
ぎっくり腰
遠方からマイカーで来ている友人がいます。
彼が打席で空振りをした直後、苦悶の表情を浮かべながら、その場に座り込んでしまいます。
歩くのもやっと、というような佇まい。
何事か、と思いましたが....「腰をやってしまいました…」
周囲は思わぬ出来事に思わず笑いが零れますが、当の本人の表情は暗く、顔色も真っ青です。ぎっくり腰の恐怖がまざまざと現れています。
彼は即交代。ベンチで横になって試合終了を待ちます。
小旅行の計画・実行
一つ問題がありました。
彼は、隣県からマイカーで高速道路を2時間程度飛ばして活動に参加しています。
曰く、「車に乗ることもやっとで、安全確認もできないので、誰か、運転して自分を送り届けてほしい」
候補者選びに移りますが、
- 独身で比較的時間がある
- 免許を持っている
- 数か月に1回程度は車を運転しており、ドライブ慣れしている
この全要件を満たすのは(残念ながら)自分しかおらず、私に白羽の矢が立つことになりました。
日曜日の昼下がり、近場(電車で3,40分弱)にフラっと野球しに来たつもりが、新幹線で1時間程度の隣県に飛んでいくこととなりました。
思わぬ展開ですが、一番苦しいのは彼です。
また、彼とは気心知れた仲で、野球意外にもプライベートで飲みに行ったりする仲でしたので、飲んで話すのではなく車で移動しながら話す時間ができたと思えば、楽なものです。
乗ったことのない道を、完璧なガイド付きでドライブできるというのも、私にとってメリットでした。
いざ、出発(圏央道へ)
一日自動車保険を急造し(こういう保険があるんですね)、2時間半のドライブ。
「自分にもメリットがある」と口走りましたが、
東京都内で普段車を運転しない私は、全く見知らぬ道を走ることになり、不安で堪らなくなります。
運転は比較的得意な方ではありますが、ハンドルを握るのは半年ぶり。
ただ、有利な要素も少なからず存在しました。否、1人で旅行先をドライブするのよりも遥かに優位性がありました。
・車両性能が良い
(格安)レンタカー店で借りる旧型車とは違い、市場での評価も高いハイブリッド車です。
最新カタログではありませんが、その性能は十分で、トップスピードに達する時間も短く、6.7秒で時速100キロに到達します。
登り坂でも機動的にトップスピードに到達するため、新東名でも後続車に煽られず、安心・快適に運転できます。
・経験あるガイドが隣席
何度となく同じ道を通った同年代のガイドがいるため、安心して運転できます。😮💨
このあたりはカーブが続く。
このジャンクションは左車線に入った後、右車線に行くと名古屋方面に行ける。
この辺りから車線変更が禁止になる。
などなど、カーナビでは網羅しきれない細かい注意点をナビゲートしてくれます。(都下の走り屋の方であれば、有名なスポットなのでしょうか?)
地方在住で普段から車通勤をしているため、運転方法についてもアドバイスをしてくれます。
高速道路の下り坂で期せずして車間が狭まった際は、すかさず注意喚起してくれることで、無用なヒヤリハットを惹起せずに済みます。
さながら、教習所の教官ですね。
もっとも、自身の愛車を大破させたくない、との強い思いもあるでしょうけれども。
全く通ったことのない道をひたすら突き進み、途中、足柄サービスエリアで休みながらも、無事自宅まで送り届けることに成功しました。
意図せぬ小旅行を振り返って
- 道路情報でよく聞く混雑しがちなインターチェンジやジャンクション
- 高規格の新東名高速道路(私の地元にも高速道路、否、自動車専用道路がありますが、こんな高規格・法定速度ではありません)
- 中核市のロードサイドの日曜夜の街並み
- 痛み止めを買いに立ち寄ったドラッグストアの登録販売者の中年女性のハキハキした動き
どれも知らない街にもかかわらず、どこか、自分が歩んできた道と重なる部分があるような気がして、えも言われぬ懐かしい気持ちになります。
日本のロードサイド、地方と呼ばれる地域においても、自身が知らない、忘れているだけで、自身の少年時代と同様の日常を送ってきた人がいて、その親御さんがいて、その地での生活を守るべく、一生懸命に日々の人生を生きているのだと感じさせられます。
至極当たり前ですが、、
こう書くと、自分が傲慢な極致にいるような気がしてきます。
私は愚なので、皆日々の生活を守るべく必死に頑張っているということを見落としてしまいがちです。
(要領の悪さゆえ)時間外労働が重なり、精神的・体力的余裕が乏しく、他者の失策や些細なことに憤慨し、他者を正しく捉えられなくなってしまう。
こういう私の弱さに向き合うためには、他者も頑張っているんだということを気付かせる仕組みをビルトインさせておく必要があると思います。
取り立てて特徴の無い中年まっしぐらのギリギリ青年を称する都内在住の無個性の一市民であることを思い出すきっかけが、日常生活に意識的・無意識的に組み込まれていること。
自律した人間とは対極の愚者が必死に真人間たりうるためには、外在的制約によって強制的に自律し、格率を思い出すきっかけを作り出さねばならないのです。
…無事、彼を送り届け、新幹線駅で遅い夕食を食べます。その地の名物を食べ、金券ショップで新幹線回数券を購入の上、帰京したのは日が変わる間際の時間帯。
桜舞う季節の気候を思わせるうららかな春の陽気の日に、思わぬ出来事が起き、自身の弱さについて色々な思いが去来する一日となりました。
|